ごあいさつ
株主の皆さまには、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
ここに2025年上期の概況についてご報告申し上げます。
藤田観光株式会社 代表取締役兼社長執行役員
山下 信典
- 上期の業績について
- 上期の取り組み
- 業績予想の修正について
上期の業績について
2025年上期は、インバウンド需要の伸長を背景に、季節や国・地域の特性に応じたセールス、プロモーションの強化などを実施し宿泊者数が前年同期比で増加しました。加えて需給動向を踏まえた柔軟な価格設定により、主に宿泊部門において利用単価が上昇しました。宴会部門や婚礼部門においても、施設改装やサービスの充実といった商品力強化が奏功し、利用人員が増加しました。
これらの結果、当社グループ全体の売上高は前年同期比40億円増収の399億円、営業利益は前年同期比17億円増益の68億円、経常利益は前年同期比11億円増益の67億円となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は、繰越欠損金解消に伴う税金費用の計上などにより、前年同期比5億円増益の45億円となりました。
上期の取り組み
WHG事業においては、欧米豪や東南アジアでの商談会に参加するなど、地域や販路に応じた販売活動を展開した結果、インバウンド需要を獲得し、ADR(客室平均単価)の上昇につなげることができました。多様化するニーズに対応するため、計画的に客室などの改装を進めていることも寄与しております。また、「早起きしたくなる、朝ごはん。」をコンセプトにしたこだわり朝食のメニュー拡充や様々なフェアの実施、企業コラボレーションによる遊び心のあるコンセプトルームの企画・販売などを通じて、WHGホテルズの魅力を広く発信しております。
ラグジュアリー&バンケット事業では、ロケーションを活かした宴会場の改装や商品造成、販売戦略の見直しおよび強化により、婚礼部門・宴会部門ともに施行件数や利用人員を増加させ、事業全体の増収を牽引いたしました。宿泊部門においても、2024年に新設した専用ラウンジでの高付加価値サービスの提供が功を奏し、スイートルームを中心にADRが上昇しました。さらに、積極的な採用活動と人材育成に注力した結果、サービスの質が向上し、事業全体の成長を支えています。
リゾート事業では、「箱根ホテル小涌園」の客室増室およびレストランの拡張工事に着手したほか、「箱根小涌園ユネッサン」のリニューアルを実施しました。「箱根小涌園 天悠」においては、お祝いでのご宿泊を「祝泊」と名付け、ご宿泊前から女将がお客さまとコンタクトしニーズを汲み取ることで、宿泊当日は各セクションのスタッフが連携してご滞在をサポートする体制を整えました。これにより、ラグジュアリーホテルの開業が相次ぐ箱根エリアでの競争力を高めるこのような施策を進めた結果、国内外の旅行会社や旅行予約サイトでも高い評価をいただくことができました。箱根小涌園再開発効果を最大化すべく、今後も施設、商品、接遇での進化を続け、提供価値の向上に努めてまいります。
また、安定的な人材確保を目的に、2023年に新設したエリア職コース(転居を伴わない勤務体系)により、採用市場での競争力が向上し、前年に続き2025年も160名以上の新入社員を迎えることができました。採用が順調に進む中、現在は育成に軸足を移し、教育研修を充実させることでマネジメント力や専門スキルの向上、社内キャリア形成支援を推進しております。処遇改善やグループ全体での年間休日数の1日増加、有給休暇を半日単位で取得できる制度の導入など、引き続き働きやすい職場環境を整備に取り組んでいます。これらの施策を通じ、従業員エンゲージメントの向上を図り、求める人材像の獲得につながる好循環を確立してまいります。
業績予想の修正について
好調に推移した上期の業績を踏まえ、通期の業績予想を修正いたしました。下期につきましては、猛暑などの影響による需要動向や受客状況を踏まえ、据え置きとしております。グループ全体の通期業績予想は、売上高が前回予想から19億円増収の805億円、営業利益は13億円増益の133億円、経常利益は同じく13億円増益の130億円、親会社株主に帰属する当期純利益は8億円増益の88億円を見込んでおります。

2025年8月8日発表のとおり、2021年9月28日に発行したA種優先株式未取得分20株について、2025年8月25日に償還(取得および消却)いたしました。これにより、発行済の本優先株式150株全ての償還が完了いたしました。今後は資本の充実を図るとともに、市場動向やニーズの変化に柔軟に対応するため、引き続きWHG事業やリゾート事業での大規模改装といった中長期的な収益拡大を見据えた投資を進め、成長・拡大フェーズの施策に取り組んでまいります。株主の皆さまにおかれましては、今後も変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。