ホテル椿山荘東京は、約数千回にものぼる年間婚礼数を誇る日本屈指の結婚式場です。私自身、ピーク時には平均して月に13組もの婚礼を担当しており、それぞれのお客様との打ち合わせや、各部署の調整などで慌ただしい毎日を過ごしています。しかし、一言に「13組」と言っても、お客様にとって私たちは一生に一度の結婚式を挙げる「唯一」の式場の従業員。私たちには1組1組のお客様と正面から向き合い、式の成功のために全力で取り組む責任があります。
お客様のご要望が確実に反映された式の実現は、コーディネーターの腕にかかっていると言っても過言ではありません。当ホテルは専任従業員による分業制を取っていることもあり、各従業員が存分に力を発揮するためには、コーディネーターがお客様と従業員を繋ぐ窓口として各部署を的確にマネジメントしなければならないからです。そのためにコーディネーターに求められることは、「お客様との信頼関係を築き、ご要望を的確に引き出すこと」「各部署と綿密に情報交換し、チームワークを発揮した仕事をすること」の2つです。お料理、衣装・お色直し、式場の装飾など、お客様にいただくご要望は様々。どんなご相談にも対応できるよう、各部署で協力し合える関係作りも怠ることはできません。
グループリーダーという立場の私は、私たちの認識に齟齬があったり、情報の共有がうまく行かないなどの要因で、それまでのお打ち合わせの内容にご満足いただけなかったお客様を担当することも多くなりました。私たちの仕事に対し厳しいご意見をいただくこともありますし、ときには新郎新婦のお2人やご両親の間で意見のぶつけ合いになってしまうこともあります。予算や時間的な問題、そして式にかかわる皆さま全員のご要望のすべてを取りまとめることは容易にはいきませんが、お客様も一生に一度の日を最高の思い出にするために全力で取り組んでくださっていることを思えばこそ、難しい仕事に挑む価値を感じることができるのです。
入社当時、私は婚礼課ではなく宴会サービスの配属でした。学生時代からブライダル業界に憧れて勉強を重ねていた私にとって、その配属先を知った当初はとても残念に思ったことを憶えています。しかし、意気消沈した私を待っていたのは、学生時代以上の勉強の毎日。理解していたつもりだった接客に関しても、より 高いレベルを目指して基礎から徹底的に指導されました。お客様が何を求めているのか、ちょっとした仕草や表情から感じ取ることができるようになったのも、この頃現場でお客様と触れ合う機会を多く持てたからこそだと思っています。
念願の婚礼課に配属になった後、宴会サービスにいた頃お世話になっていたレストランのシェフに助けていただいた経験があります。フランス人男性と日本人女性のカップルのご婚礼で、「当日お出しする日本料理に、フランス語のお品書きを添えたい」とのご要望をいただいたときのことです。日本料理には特有の単語が使われていることもあり、翻訳は不可能かと思われました。しかし、「フランスからお越しいただいた皆様に日本の文化を知っていただきたい」という新郎の思いに何とかお応えしようと頭を悩ませていたところ、当ホテルのフレンチレストランのシェフと和食調理の従業員が翻訳に名乗りを挙げてくれたのです。結局、シェフたちの協力によりお品書きを無事に完成させることができ、お客様にはとてもお喜びいただくことができました。これは、宴会サービスにいた頃の「従業員間の横のつながり」がなければ実現出来なかったことと思います。私は入社から10年以上が経ち、後輩を育成する仕事を任されるようになりました。「周りを巻き込んで仕事をすること」「積極的に従業員と関係作りを行うこと」の大切さを伝えていきたいと思っています。
ホテル椿山荘東京には、一生に一度の結婚式を最高の形に演出するため、シェフや音楽・お花の担当、サロンスタッフなどのプロフェッショナルが多く在籍しています。コーディネーターは、お客様のご希望を最大限叶えられるよう、お客様と各専任スタッフの橋渡し役として式当日までのサポートを行っています。会場や衣装の決定・当日までの打ち合わせスケジュールの策定・お客様のご希望に添った婚礼プランのご提案などを通し、お客様のご期待の上を行く結婚式を創出するのが私たちの使命です。
10:00
メールチェック・お客様との打合せ
12:00
昼食
13:00
お客様との打合せ
15:00
式当日のお客様への挨拶
18:00
打合せ内容を整理し、退社
2003年 4月
椿山荘 宴会サービス
接客の基礎を学び、先輩に指導を受けながらサービスを学ぶ
2004年 1月
椿山荘 宴会サービス
モデルルームの会場レイアウト・コーディネートを担当
2005年 2月
椿山荘
婚礼課 コーディネート
打合せ担当となり、月に13組の婚礼担当やブライダルフェア準備などを担当
2007年 4月
椿山荘
婚礼課 コーディネート
グループリーダーとなり、コーディネーターへの担当割り振り・手配書の確認などを担当
この時期がオススメ!
ホテル椿山荘東京では、3月・4月・9月・10月の4ヶ月がご婚礼数のピークです。桜や紅葉の季節も素敵ですが、実は私のお勧めは5月と6月。椿山荘が誇る広大な日本庭園の新緑が初夏の日差しによく映えて、結婚式の演出にはピッタリ!四季折々の自然の演出を楽しめるのも、ホテル椿山荘東京の自慢の一つです。