入社後、ホテル椿山荘東京のレストラン、スパ、客室管理、ベルなど様々な部署で研修を受け、それぞれの仕事や部署間のつながりを理解できるようになったとき、「ベルで働きたい」と思いました。ホテルにご到着したお客様のお出迎えや客室へのご案内、お見送りを行うベルは、ロビーを中心にホテル内を動きながら、お客様のいちばん近くでサービスを提供することができます。その中で大事なのは、お客様との会話を通して、そのお客様が何を求めているのかを読み取り、色々な部署と連携しながらお客様にとってベストな情報や知識を伝え、ご案内を行うこと。それがうまくできないと、ホテル椿山荘東京のラグジュアリーホテルならではの上質なサービスをお客様に十二分にお届けすることができない・・・。それくらい重要な仕事だと感じたとき、これはチャレンジしがいがあると直感しました。
たとえば、こんなことがありました。ナイジェリアからの4人家族のお客様が、当ホテルに朝のご到着予定だったのですが、飛行機の遅延で夜11時の到着となってしまいました。そのご家族がもっとも楽しみにしていたのは、当ホテルが誇る美しい庭園。それなのに庭園はすでに閉まっていて観ることが叶わず・・・。しかも、翌日は朝6時15分発のバスで成田空港に向かわなければいけないとのことでした。庭園の開園は6時なのでやはり観ることができません。私はなんとかしてお客様に庭園を観ていただきたいと思い、庭園の管理部門に掛け合い、通常よりも早く庭園を開けてもらうことにしました。最終的に、朝、出発前のほんの短い時間ではありましたが、お客様に庭園を楽しんでいただくことができました。私としては「短時間で気の毒だったなあ。物足りなかったのではないかな・・・」という思いでしたが、お客様が出発されて1時間後、口コミサイトにそのお客様が私の名前を挙げて、感謝のコメントを投稿してくださいました。ベルスタッフとして精一杯のおもてなしをした結果、お客様にとって特別なことができたのがうれしかったですね。
入社2年目の10月、私は夜勤時のベルデスク(インチャージ、時間帯責任者)としてデビューしました。ベルデスクの主な仕事は、お客様からの様々なリクエストを受ける窓口となり、ベルスタッフに指示を出し、場合によっては他部署とも連携しながら、それらのリクエストに的確に対応していくこと。そのためには、今、誰がどこにいて、何をしているのか、いつ誰に何を頼めばいいのかを確認した上で、優先順位をきちんと考えて、現場を指揮していく必要があります。また、難易度の高い仕事は必ずスキルの高いスタッフに任せるなどの配慮も必要です。それらをおろそかにしてしまうと、リクエストが重なって対応できなくなり、お客様からのクレームにつながってしまいます。忘れられないのは、ベルデスクとして初めて迎えた大晦日。この日はニューイヤーイベント、年賀状、新聞の配布などプラスの仕事があり、通常よりもリクエストに対応する難易度はぐんと高くなります。そのような中で、しっかり役割分担をして仕事をこなし、お客様からのクレームもなく無事に業務を完了できたときは達成感を覚えました。状況に応じてオペレーションを変えて対応していくのは大変ですが、そこで知恵を絞ることはとても楽しいことでもあります。
また先日、日勤時のベルデスクも行うようになったのですが、日勤帯はお客様をはじめ人の出入りが多く、チェックイン・チェックアウトといった繁忙する時間帯もあり、夜勤時とは異なる難しさがあります。その中で、さらにベルとしてのスキルを磨いていけることが楽しみです。目下の目標は、ベルを中心にゲストサービスを極めることですが、ゆくゆくはホテルの現場からは見えない本社の仕事、たとえば、総務や企画などの仕事にも携わりたいと思っています。ホテルで働いていると、ホテルに関連するあらゆる仕事への興味が自然と募ってきます。
ベルスタッフの主な仕事は、ホテルにご到着したお客様のお出迎え、客室へのご案内、お見送り。また、手荷物をお預かりするなど、お客様の様々なリクエストに対応します。また、ベルデスクは、お客様のリクエストを受ける窓口として、ベルスタッフに仕事を割り振り、指示を出しながら、リクエストに的確に対応していきます。さらに、夜勤時のベルデスクの重要な仕事として、ホテルの全部署のスタッフが日々使うゲストリスト、イベントリストの作成があります。リストの内容は、レストランの予約状況、施設内イベント情報、クローク情報、VIP情報など。これによりホテルの部署間の連携が取りやすくなります。
15:45
出社。引継ぎ等の確認
16:00
翌日のゲストリスト・イベントリストの作成
16:50
日勤ベルデスクより引き継ぎを受ける
17:00
夜勤ベルデスクの業務を行う
8:45
日勤ベルデスクに引き継ぎ、退社
2018年 4月
新入社員研修
ホテルで働くための基本(マナー、マインド、話し方、歩き方など)を学ぶ
2018年 6月
ホテル椿山荘東京に仮配属
スパ、レストラン、客室管理、ベルなどの仕事を経験。それぞれの仕事内容、部署間のつながりを知り、ベルの仕事に興味を持つ
2018年 10月
ホテル椿山荘東京ゲストサービス課ベルに配属
先輩から教えてもらいながら、実践でベルスタッフの仕事のノウハウを身につける
2019年 5月
トレーニング開始
月1、2回のペースで、ベルデスクになるためのトレーニングを開始
2019年 10月
夜勤ベルデスクとしてデビュー
マネジメント業務を担う
トレーニング
ベルデスクになるためには、トレーニングを受ける必要があります。トレーニング期間は、月に1、2回、計7回。初回は先輩がベルデスクの業務を行うのを見ながら教わり、2回目からは自らがベルデスクに立ち業務を実践し、その様子を見てくれている先輩からフィードバックを受けます。実践を通してレベルの高いトレーニングを受けることができるのは藤田観光で働く魅力の一つです。