■平成23年度概況
平成23年度は、年初より企業収益は回復傾向にありましたが、デフレの継続もあり、本格的な景気回復には至らない中、3月11日に発生しました東日本大震災、加えて原発問題は、当社のみならず日本経済全体に深刻な影響を与えました。とりわけ、震災直後、ビジネス需要の著しい低下、加えて訪日外国人旅行客の大幅な減少など、当社を取り巻く環境は、非常に厳しいものとなりました。
■選択と集中
そのような環境下において、当社グループでは先ず「選択と集中」を推進しました。平成23年6月末に島原観光ホテル小涌園の営業を終了、さらに、一部事業所の構造的に割高な賃料負担を一括引当金として処理するほか、フォーシーズンズホテルグループとの業務提携契約を平成24年12月31日をもって終了するなど、選択を進めると同時に、高収益、効率的な事業展開が期待できる仙台、広島、新宿への進出を決定しました。また、競争力を一層強化するため、大阪太閤園の隣接地を取得しました。
■商品力の強化
次に、お客様のニーズや動向の新たな変化に対応すべく、グループ各ホテルにおいて、短期滞在商品などの品揃えを充実させ、宿泊人員の確保、売上の拡大に努めるなど「商品力の強化」に取り組んでまいりました。また、芸術や文化の振興・支援の一環として、当社グループが保有する歴史的・文化的資産を通じ、お客様に「本物」をご提供してまいりました。「平成の大改修」を終えた椿山荘三重塔では、新たに「圓通閣(えんつうかく)」という名を授かり、奉安された聖観世音菩薩を参拝していただけるようになりました。また、東京藝術大学教授方のご協力のもと、芸術作品の定期展示、そして新たな視点を取り入れたワイン品評会を開催しました。さらに、若手アーティストの作品発表の場として、当社レストランオリジナルレトルトカレーのパッケージにデザインを起用しました。一方、5月には「東日本大震災復興支援募金ディナー」や「ふくしまの地酒応援フェア」、「ググっとぐんまの地酒祭り」を実施するなど事業を通じて、被災地の復興支援にも努めてまいりました。またこのような取り組みの結果、平成23年末に発売されたミシュランガイド2012にて「フォーシーズンズホテル椿山荘 東京」が5年連続、「ホテルグレイスリー田町」と「ホテルフジタ奈良」が初めて選ばれるなど当社グループの3つのホテルがそれぞれ「快適なホテル」として高い評価を受けました。
■中期経営計画を策定
「選択と集中」、「商品力の強化」に加え、将来に向けて成長する企業へ変革していくために、中期経営計画を策定しました。平成24年度を初年度とする当中期経営計画には「事業構造の強化」「お客様のニーズを捉え、それに応える技術・技能の強化」の2点を主要課題と捉えております。お客様一人ひとりが期待し、望まれる一段上のサービスを提供するために、高いサービス力と魅力ある施設の確保と維持、加えて、徹底した効率化による生産性の向上を基盤に、改革、成長をし続ける企業を目指します。
■平成23年度実績
以上のような取り組みに加え、コスト面において、従業員の一時的な処遇変更を始め、業務の内製化や人員配置の効率化による人件費の削減、更に省エネ機器の導入による水道光熱費の削減など、あらゆる分野のコストを改めて見直し、一層の削減に努めました。結果として、平成23年度の売上高は、573億円と前期比68億円の減収となりましたが、経常利益は、前期比8億円減益ながら10億円を確保し、震災後の5月に発表しました業績予想を上回る利益となりました。また一方で、特別損失を48億円計上しました。これは、震災による一時的な損失や、投資有価証券の評価損の計上のほか、平成24年度より実施する「事業構造の強化」へ向けた施策の一部を前倒しで実施したことによるものです。この結果、当期純損失は35億円となりました。
中期経営計画の初年度となる今年は、この計画を着実かつスピード感をもって推進してまいります。株主の皆様におかれましても、今後ともより一層のご支援とご鞭撻を何卒お願い申し上げます。

