ホテル椿山荘東京や箱根ホテル小涌園でベルボーイやフロントとして働いていた頃、お客様から「いつ来てもいいね」と声をかけていただくことがありました。その度に、ご自身の結婚式を椿山荘で挙げられた方がお子様の結婚式で再び訪れたり、親子三世代でいらっしゃったりと、何世代にもわたってご利用頂いているお客様が大勢いらっしゃることを実感でき、とても誇りに感じたものです。長い間、愛着を持ってお客様が足を運んでくださるのは、各現場の従業員が質の高いサービスを提供するために励んでいるからであり、会社が時代の先を見据えつつ進むべき方向性を打ち出し、従業員が力を発揮しやすい環境を整えようと改善を繰り返しているから・・・経営企画に携わるようになり、その思いを深くしています。
私たちの使命は、ホテルなど宿泊施設だけでなく、結婚式場やレジャー施設など、幅広い事業全体を俯瞰しながら、中長期的な視点で、お客様にとって、従業員にとって、社会にとって最善の道筋を、経営層と一緒に考えていくことです。全社の売上をはじめとした数値を集計・分析することで、将来直面するであろう課題を洗い出して対策を講じる、市場や社会からの要請を踏まえて会社のあるべき姿を模索するなど、日々、新しいこと、答えのないことに向き合っているため、悩んだり迷ったりすることばかりです。知識や経験の拙さも痛感させられています。それでも、経営層に近い位置で、現場の声にも耳を傾けながら、先輩方が築いてきた藤田観光の財産を受け止め、次代へとつなげていくための戦略立案に携われるのは、面白いですし、やりがいも感じています。
最近は、インバウンド関連のニュースを耳にしない日がないほど、訪日外国人が増えています。国籍も文化・慣習も宗教も異なる多くのお客様に日本を好きになって帰っていただくには、各国の知識を身に付け理解する必要があり、接客技術もさらに磨いていかなければなりません。2013年に海外研修を経験したことが、その思いを強くするきっかけになりました。
当時20代だった私は、英語を話せないコンプレックスから、気の晴れないような日々を過ごしていました。この状況を変えるには海外留学しかないと思ったのですが、当時は海外トレーニー制度もありません。そこで、会社にお願いして『近藤マイク誠賞』に応募させてもらいました。これは未来を担うホテリエのための基金で、決まったテーマで作文を応募し、最優秀賞を受賞した人は3ヵ月のオーストラリアICHM(※)留学と3ヵ月の海外インターンシップを経験できるというものです。幸運にも受賞できた私は勇んで海外研修へと向かったのですが、そこで出会った海外の人材と日本との違いを見せつけられました。彼らは、数年間にわたってホテルビジネスをみっちりと学んでいる分、入社時からホテルビジネスに対する理解度も、サービスレベルも非常に高いのです。日本人ならではのおもてなしは確かに質の高いものですが、最初につけられた差は、容易に埋まるものではないと思わざるをえませんでした。
しかし、この差は、日本のホテルビジネスの伸びしろでもあります。この伸びしろと日本人が本来備えるおもてなしの精神が調和すれば、面白いことになるはずです。そのため、経営企画に携わる一人として、人事部などと連携を図りながら人財育成の方法を模索することで、個性あふれる従業員のポテンシャルを一層引き出していきたいと考えています。これはほんの一例で、他の事業グループとも密にコミュニケーションをとりながら、これからもお客様に選んで頂ける藤田観光づくりに貢献していきたいと思います。
※ オーストラリアで先進的かつ評価の高いホテルマネジメント学校
経営層に近いポジションにいて、経営計画策定の中核を成す部署の一つです。藤田観光の利益を最大化するため、収益性や発展性、投資の妥当性など、さまざまな観点から投資配分を吟味、決定し、中長期的な成長戦略を描いていきます。
09:00
出社、メール確認
10:00
部内ミーティング
担当案件の進捗確認
12:00
ランチ
13:00
定例会議 事務局対応
15:00
全社売上数値集計
17:30
会議資料作成後退社
2008年 4月
フォーシーズンズホテル椿山荘東京(現:ホテル椿山荘東京)ベルボーイ
ラグジュアリーホテルの接客やホテルマンとしての基礎を学びながら、多くのお客様との触れあいの中で、その面白さややりがいを見出す
2010年 8月
箱根ホテル小涌園
約5年の間に、フロント、レストラン、宿泊予約を経験。ラグジュアリーホテルとはまた違った、リゾート運営の楽しさを実感する
2015年 10月
国際グループ
国際事業推進担当
国による文化、商慣習の違いを目の当たりにして戸惑うとともに、それを理解し、事業を推進していくことの大変さとやりがいを感じる
若手従業員選抜型社内プロジェクト
若手従業員を選抜した「タスクフォース・ミレニアル」という社内プロジェクトを立ち上げています。これは、今後当社のメインターゲットとなる「ミレニアル世代」に対しての次世代事業を、同世代の従業員が自由な発想で議論し、経営計画等に反映させることを目的としています。自分達で考えたアイデアでもっと会社を活性化させたいという熱い思いで、毎回活発な意見交換がなされています。